ワールドツアー:
Menloのセキュアエンタープライズブラウザがどのように攻撃者に先んじるかをライブで見てみましょう
Icon Rounded Closed - BRIX Templates

BYODとは?導入するメリット・デメリットも解説

Menlo Security
|
June 1, 2023
linkedin logotwitter/x logofacebook logoSocial share icon via eMail
__wf_リザーブド_デコラティブ

BYODとは、従業員自身が所有しているパソコン・スマートフォンなどを会社の業務に使うことです。従業員が使い慣れたデバイスを業務で使えるようになるため、業務効率化につながると考えられています。しかし、セキュリティ面でBYODには不安があることも確かです。

この記事では、BYODの概要や、BYODに注目が集まる背景について解説します。また、BYODのメリット・デメリットや、導入時に必要となる従業員への配慮についても紹介するため、ぜひ参考にしてください。

目次

BYODとは?

  • BYODに注目が集まる背景

BYODのメリット7つ

  • 生産性を向上できる
  • コスト削減につながる
  • 従業員のストレスを軽減できる
  • 多様な働き方に対応できる
  • シャドーITを防げる
  • 好きな端末が使える
  • 複数台の端末を持つ必要がなくなる

BYODのデメリット4つ

  • 労務管理が複雑化する
  • 情報漏洩のリスクがある
  • セキュリティ教育への対応が必要になる
  • 従業員の負担が増える可能性がある

BYODを導入するために必要なセキュリティ対策

  • システム面での対策
  • 運用面での対策

BYODの導入には従業員への配慮も必要

  • プライバシー保護への配慮を行う
  • 時間外労働への配慮を行う

まとめ

1.BYODとは?

BYODとは?

BYODとは、「Bring Your Own Device」の略語で、「自分のデバイスを持ち込む」という意味をあらわす言葉です。パソコン・タブレット・スマートフォンといった情報端末を仕事で使う場合に、普段から使っている端末を利用してもよいとする仕組みです。

現在の日本では、会社用のスマートフォンとプライベート用のスマートフォンを使い分けている人のほうが多数派になります。情報漏洩や公私混同といったリスクを考えると、BYOD導入に踏み切れない会社が多いのも無理はありません。

しかし海外に目を向けてみると、すでにBYODが定着している国も少なくありません。日本国内においても、BYODを導入する企業が少しずつ増えてきました。

業務効率化やコスト削減などの観点からしても、BYODは有効な手段の1つです。そして、BYODの仕組みやメリット・デメリットについて理解することは、会社の情報セキュリティを強化するためにも重要なことだと言えるでしょう。

1-1.BYODに注目が集まる背景

プライベートで使用している情報端末を、仕事で使用するのを禁止していた会社が多かったにもかかわらず、近年は国内でも多くの会社がBYODに注目しています。BYOD普及の背景としてよく挙げられるのが、「情報端末のスペック向上」と「クラウドサービスの増加」です。

BYODが話題になる前までは、個人が日常生活で使用する端末と、会社が社員に支給する端末の間には、大きなスペックの差がありました。個人用のパソコンやスマートフォンでは、会社の業務に必要な機能が使えないというケースも珍しくありませんでした。しかし現代では、個人用の情報端末のスペックが向上し、会社から支給されるものと遜色なく使える場合がほとんどです。

「Gmail」や「Dropbox」など、端末の種類を問わず使えるクラウドサービスが増加したことも、BYOD普及の大きな要因です。リモートワーク推進の後押しもあり、社員が場所を選ばずに働けるようになったため、クラウドサービスを利用する会社が増えました。サービスを利用できる端末に制限がないのであれば、普段から使い慣れた端末を使用したほうが効率的だと考える人が増えたのも、BYODが注目される理由の1つです。

2.BYODのメリット7つ

BYODを導入すると、会社と個人の双方にメリットがあります。BYODの導入により、業績改善のヒントが見つかる可能性もあるでしょう。具体的にどのようなメリットがあるのか解説します。

2-1.生産性を向上できる

社員が使い慣れた情報端末を利用することで、仕事における生産性が向上します。生産性の低い社員でよくみられるのが、会社用の情報端末の使い方に慣れていないという問題です。

業務内容によっては、パソコンやスマートフォン上で複雑な操作を求められる場合も少なくありません。1つの業務をこなすたびに、パソコンやスマートフォンの操作方法を調べているようでは、生産性は下がる一方です。

BYODの導入により、普段から使い慣れている情報端末を使用するようになると、無駄な時間を削減できます。電子機器の操作に苦手意識を抱いている社員や、会社の業務に慣れていない新入社員の場合は、より大きな生産性の向上が期待できるでしょう。

2-2.コスト削減につながる

会社の規模が大きくなるほど、社員一人ひとりに対して情報端末を支給するコストは跳ね上がります。情報端末本体の費用だけでなく、月々の利用料や修理代といった維持費も高額になってしまいます。パソコンやスマートフォンは日々進化しているため、数年ごとに買い換えてバージョンアップしなければ、業務に支障が出る場合もあるでしょう。

BYODを導入すると、情報端末の購入・維持にかかるコストを大幅に削減できます。仕事で使用する情報端末も社員の個人所有物になり、機器の購入費や修理代なども一人ひとりが負担するためです。

2-3.従業員のストレスを軽減できる

従業員が普段から使い慣れた情報端末を使用することで、仕事におけるストレスを軽減できるというのもメリットの1つです。「パソコンの不具合により仕事が進まない」「取引先と連絡を取りたいのにスマホの調子が悪い」といったトラブルは、従業員のストレスの原因になりかねません。

プライベートでも使い慣れている情報端末であれば、多少のトラブルが生じても解決策をすぐに見いだせるでしょう。困ったときには、それぞれが利用している端末のカスタマーサポートを活用して解決できるため、操作方法を尋ねるために他の社員の時間を奪うこともなくなります。

2-4.多様な働き方に対応できる

会社で利用している業務ツールの多くは、クラウドサービスである場合がほとんどです。電子メール・スケジュール管理・ファイル保管など、会社用のパソコンやスマートフォンでなくても利用できるサービスは数多くあります。

使用する情報端末に制限がないクラウドサービスであれば、社外にいても仕事ができるため、多様な働き方に対応できます。退社後にやり残していた業務を思い出したときや、急用で途中退社せざるを得ないときなど、わざわざ会社に戻る必要がないため時間の節約にもなるでしょう。

2-5.シャドーITを防げる

シャドーITとは、会社から禁止されているにもかかわらず、私物デバイスを無断で使用する行為です。会社の規則で禁止していたとしても、社員一人ひとりの行動を完全に制限するのは難しいのが現実です。

会社の情報を社員が自分のパソコンやスマートフォンに取り込んで社外に持ち出すと、情報漏洩のリスクがあります。場合によっては、会社の業務全体が停止したり、大きな損失を生み出したりする可能性もあるでしょう。

BYODを導入して、あらかじめ社員の情報端末のセキュリティ機能を強化すると、シャドーITによる被害の防止につながります。

2-6.好きな端末が使える

BYODの導入により、従業員は好きな端末を使えるというのもメリットの1つです。会社から支給された情報端末しか使えない状況だと、一人ひとりの要望に合わせた対応が難しくなり、全員が同じデザイン・同じスペックの情報端末を使うことになります。会社全体のパフォーマンスを最大化するためには、それぞれの従業員に最適なデバイスを支給するのが理想ですが、現実的ではありません。

BYODを導入して好きな端末が利用できるようになると、従業員の仕事に対するモチベーションも高まります。結果として会社全体のパフォーマンスが向上し、業績アップにつながるという効果も期待できるでしょう。

2-7.複数台の端末を持つ必要がなくなる

BYODを導入していない会社で働く社員は、会社用とプライベート用で情報端末を分けているため、複数台の端末を持ち歩かなければなりません。荷物がかさばるだけでなく、端末をなくしたり、間違えて違うほうの端末を使ってしまったりする危険性もあるでしょう。

BYODを導入すると、会社用とプライベート用で情報端末を分ける必要がなくなるため、1台ですべてが完結します。持ち歩きが不便になるストレスから解放されて、職場への足取りが軽くなるという効果も期待できるでしょう。

3.BYODのデメリット4つ

BYODのデメリット4つ

導入することで多くのメリットが得られるBYODですが、デメリットも存在します。セキュリティ面や従業員への負担など、会社側が考えなければならない点はいくつかあります。導入してから後悔しないように、BYODのデメリットについても事前に理解しておきましょう。

3-1.労務管理が複雑化する

BYODを導入すると、労務管理が複雑化するといったデメリットがあります。従業員は私物の電子機器を使用しており、いつどこでどのくらい働いているかについて、企業側が把握しにくくなるためです。

情報端末の制限がなくなって、場所を選ばずに仕事ができるということは、帰宅後のサービス残業も可能になるのと同義です。真面目な性格で会社に対する貢献度が大きい社員ほど、働きすぎてしまう可能性があるでしょう。すべての従業員の労務状況を把握するのが難しくなり、過労によるストレスの蓄積を見逃してしまうというのは大きなデメリットと言えます。

3-2.情報漏洩のリスクがある

社内だけで共有していた情報が外部に漏れ出てしまうというのも、BYODを導入するデメリットの1つです。業務に関するデータをダウンロードした情報端末を紛失したり盗難されたりすると、第三者によって不正利用される情報セキュリティリスクがあります。

会社支給の情報端末と比べると、私物の情報端末は持ち歩く範囲が広大すぎて、端末の紛失時に見つけ出すのは困難です。きちんとしたセキュリティ対策をしていない個人端末であれば、第三者の不正利用により会社全体に大きな損失を与えるリスクもあるでしょう。

個人用の情報端末には、さまざまなアプリがインストールされており、ウイルス感染の危険性もあります。私物端末を経由して会社のシステムにウイルスが侵入すると、最悪の場合は管理システムが使えなくなるという事態も考えられます。

3-3.セキュリティ教育への対応が必要になる

BYODを導入する際は、社員へのセキュリティ教育が必要です。セキュリティに関する知識は、学校ではほとんど学ぶ機会がないため、社会人になってから学ばなければなりません。

個人所有のパソコンやスマートフォンの使用を許可した場合は、万が一情報漏洩が起きた際に、会社側の責任も大きくなります。社内の情報を適切に管理することの重要性や、大事な情報が社外に漏れるとどのような損失を被るのかといった脅威について、具体的に認知させなければなりません。

セキュリティ教育の実施に伴い、指導者の確保や社内スケジュールの調整など、さまざまな雑務が生じる点にも注意が必要です。

3-4.従業員の負担が増える可能性がある

BYODを導入すると、従業員は自分たちで情報端末を用意しなければならなくなります。仕事でも使うとなると、場合によっては情報端末をアップグレードしなければならない場合もあるでしょう。

必要最低限の機能だけを残して、スマートフォンやタブレットの費用を節約している人は、仕事に支障が出る可能性もあります。生活状況が苦しく、会社から支給される情報端末をあてにしていた人にとっては、BYODの導入により金銭的な負担が増えてしまいます。

安価なモバイルデバイスだとスペックが低く、生産性を上げるためのBYOD施策が逆効果になる可能性もあることは覚えておく必要があるでしょう。

4.BYODを導入するために必要なセキュリティ対策

BYODを導入するために必要なセキュリティ対策

BYODを導入するためには、セキュリティ対策が必須です。適切な情報管理は、会社を守るためには欠かせません。BYODを導入するために必要なセキュリティ対策について、具体的に紹介します。

4-1.システム面での対策

システム面に関しては、情報端末管理と社内データ監視という2つの対策がメインです。

情報端末の管理では、MDM(Mobile Device Management)と呼ばれるシステムがよく使われています。MDMを利用すると、社員の情報端末の利用をリモート制御できるようになります。盗難・紛失の際には端末をロックしたり、データを削除したりすることも可能です。情報端末のセキュリティポリシーの設定や、利用するアプリケーションの管理も行えるため、BYODを導入している企業の多くはMDMを使用しています。

社内データの監視には、DLP(Data Loss Prevention)というシステムが有効です。DLPとは、重要な企業データの保護に特化したシステムで、社内でも特に慎重に取り扱わなければならない情報に対して使われています。DLPにより情報を保護すると、たとえ社員であっても利用制限がかけられるため、社外への情報漏洩対策にも効果的です。DLPの導入で情報へのアクセス自体を制限できるため、情報端末の違いによる影響とは別の角度でセキュリティ対策をすることができます。

4-2.運用面での対策

BYOD導入のリスクを最小限に抑えるためには、運用面での対策にも留意しなければなりません。どれだけ優秀なセキュリティシステムを導入しようとも、確固たるBYODポリシーがなければうまく機能しないという事態も十分に考えられます。事業の根幹に関わる情報はセキュリティシステムにより厳重に管理する必要がありますが、ある程度のセキュリティ面は各社員に委ねることも大事です。

会社の一員として働く以上、この部分だけはきちんと守ってほしいという運用ポリシーを策定し、全社員と共有しておきましょう。「使用可能なアプリ」「会社が監視できる範囲」「問題が起きたときの対処法」など、システムを有効に機能させるための遵守事項を整理しておく必要があります。どこまでが許されて、どこからが許されないのか、具体的に示すことで、導入システムに対する社員の不安を払拭できるというメリットもあります。

MDMによるデータ削除のリスクや、DLPによるアクセス制限についても共有しておくと、社員のセキュリティ意識向上にもつながるでしょう。

5.BYODの導入には従業員への配慮も必要

BYODの導入を成功させるためには、セキュリティに関する対策だけでは不十分です。従業員個人のプライバシー保護や労務管理への対策にも配慮しなければなりません。従業員が働きやすい職場環境にするための具体的な方法について紹介します。

5-1.プライバシー保護への配慮を行う

BYODを導入する際は、従業員のプライバシー保護への配慮が必要です。私物のパソコンやスマートフォンに、企業から指定されたアプリケーションをインストールするというのは、多くの人に違和感を与えます。監視システムという単語を聞いただけで「自分の私生活が監視されるのでは」という不安を覚える人も少なくありません。

しかし、BYOD施策を成功させるためには、社員全員の協力が必要です。「プライベートでの通話履歴やSNSの利用状況までは監視しない」「必要な最低限の範囲で情報端末の業務利用状況をチェックしているにすぎない」ことを伝えましょう。

5-2.時間外労働への配慮を行う

私物のモバイル端末で業務用ツールを使えるようになり、会社にいなくても仕事ができるようになるというのは大きなメリットです。しかし、プライベートでも業務を行うようになると、仕事とプライベートの区別がつかなくなり、休日でも仕事のことが気になってしまう状態になりかねません。帰宅後や休日の時間外労働への配慮をしておかないと、社員のストレスは増す一方で、最悪の場合は離職につながる恐れもあります。

MDMを利用して業務ツールの使用を管理したり、仕事用とプライベート用でアプリケーションを分けるように指導したりして、時間外労働にも配慮しなければなりません。時間を問わず急な対応が求められるような業務をしている場合は、チャットツールを活用して、同じ部署内で情報共有するのも効果的です。BYODを導入した結果、特定の社員に仕事が集中しないように、同じ部署で業務を分散できるような社内ルール制定も大事なポイントです。

まとめ

従業員が持っているパソコン・スマートフォンを業務に使用する「BYOD」には、さまざまなメリットがある一方で、いくつかのデメリットがあります。生産性の向上やコスト削減が、BYODの推進による代表的なメリットです。

しかし、BYODを進める場合は、労務管理の複雑化や、セキュリティ面での配慮の必要性に注意する必要があります。また、BYODを推進する上では、従業員への配慮が欠かせません。従業員の負担を増大させないように配慮しつつ、BYODを推進しましょう。

関連リンク

2023年、リモートワーカーを保護するために避けるべきサイバーセキュリティの落とし穴

ブログカテゴリー
タグ付き
アイテムが見つかりません。